医薬品の化学構造を考える意味と重要性

はじめに

現役の薬剤師だけでなく、実習中の薬学生の方々まで、皆さん必ず思っているはずなんです。

「大学であれだけ化学を勉強しても、薬剤師になったら全然使わないじゃん!」と。笑

僕もその1人です、、。

まぁ、正確には使わないのではなく、”使えていないだけ”なのだと思います。

大学のカリキュラムとしては、創薬に関係する部分だから重点が置かれている側面もあると思いますが、本質的に見れば、薬理作用とは化学物質と生体間での相互作用や化学反応の結果と言えます。

かと言って、僕がこのブログを始めた目標と目的は、化学の反応機構を臨床へ応用することではありません。

もっと単純に、化学構造を臨床へ役立てよう!ということです。

僕もまだまだ未熟で他人のことなど言えませんが、臨床現場では添付文書を根拠にすることが多いと思います(保険請求上はもちろん重要です)。

しかしながら、きちんと考えれば、それは医薬品が化学物質であり、それが体内で反応、相互作用することで、添付文書に記載される根拠となる”作用”として現れているのだとわかります。(場合によっては、添付文書以上の情報にまで昇華させることも可能だと思います。)

つまり、医薬品において、薬理作用の本体である化学構造を理解することこそ、真に医薬品がどういうものであり、どういった結果をもたらすのか、それらを考察する土台を構築できると確信しています。

例えば、薬剤の作用機序は、一般名のステム(成分名の語尾にあたり、共通の薬理作用や化学構造などを表す。ex. 〜ジピン→Ca拮抗薬(アムロジピン、ベニジピン、シルニジピン等))でおおよそ判断できますが、果たして“共通の薬”と言っていいでしょうか?

答えは、否。人間でも一人一人に個性があり、双子でさえ全く同じなんてことはないのと同様に、医薬品の一つ一つにも個性があり、各製薬会社がしのぎを削り、“個性”に改良を重ねて世に出し続けています。

『医薬品の化学構造を考える』のは、その“個性に気付いてあげること“に他なりません。それは医薬品の使い分けにも影響する可能性があり、オーダメイド医療の一端を担っているとも言えます。

そこで、僕のブログでメインにやっていくことは、

①医薬品の化学構造が生体内分子とどのように作用しているか
②同種同効薬の化学構造と作用を比較し、それぞれどのような特徴を持つか
(③臨床へ応用できることは何か)

です。

正直、①と②だけでも国内外の論文やインタビューフォーム(IF)を読み漁り、時間と労力を要するので、③は極力、、ですね(弱気)。(最も大事なのが③でもあるのですが笑)

継続的に、構造式を利用した図をメインに投稿していくつもりです。

皆さんの日頃の活動に何かしらお役に立てれば光栄に感じます。

ここまで、長文駄文で申し訳ありませんでしたが、薬剤師や薬学生だけでなく、その他、医薬品に興味を持つ医療従事者の方々、一般の方々の目にも留まる機会があれば、なおのこと幸いに思います。

Yuya.T@薬剤師

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