虫よけスプレーの成分「 ディート と イカリジン 、どっちが良いの?」と悩みますよね。
この記事では両者の効果・安全性・おすすめ用途を初心者でもわかりやすく解説します。
目的によって成分を使い分けましょう!
ディート と イカリジン とは?基本の違いを解説
ディート とは
- 1940年代半ば頃に開発
- 日本では1962年に発売され、2016年に30%濃度が承認
- 効果持続時間が長い
- 妊婦や子どもに使用制限あり
イカリジン とは
- 1990年代半ば頃に開発
- 日本では2015年に解禁
- 低刺激&無臭、衣類にも安心
- 妊婦や子どもでも使用可能
効果・持続時間の違いを比較
項目\成分 | ディート | イカリジン |
効果持続時間の目安 |
5〜8時間 ※濃度10〜12%なら2〜4時間程度 |
4〜6時間 ※15%ならディート30%と同等の5〜8時間程度 |
虫への効果 |
蚊、ブユ、アブ、マダニ、イエダニ、ノミ、トコジラミ、ヤマビル、ツツガムシ、サシバエ、ヌカカ |
蚊、マダニ、ブユ、マダニ、イエダニ、ノミ、トコジラミ、ヤマビル、ヌカカ |
ディートは高濃度なら8時間以上持続し、イカリジンは4〜6時間程度が目安。
しかし、同濃度では両者の持続時間に大きな差はないという報告もあり、使用する上ではあまり神経質にならなくても良いかもしれません。
安全性・使用回数の違いは?
項目\成分 | ディート | イカリジン |
子供への使用 (使用可能年齢) |
濃度10%以下(医薬部外品):6ヶ月以上 10〜12%:6ヶ月以上〜12歳未満 30%:12歳以上〜 |
年齢制限なし |
子供への使用回数(目安) |
生後6ヶ月未満:使用しないこと 生後6ヶ月以上〜2歳未満:1日1回 2歳以上〜12歳未満:1日1〜3回 12歳以上〜:回数制限なし(適宜使用) |
回数制限なし(適宜使用) |
肌刺激 | まれにかぶれ、赤み | 低刺激 |
衣類・プラスチック |
変色・変質するおそれあり ※特にポリウレタン(ストッキング類)や合成繊維等 |
変色・変質するおそれあり ※特にポリウレタン(ストッキング類)や合成繊維等 |
敏感肌の方、妊婦&赤ちゃんには刺激の少ないイカリジンが推奨されています。
また、イカリジンの方が衣類の変色・変質を起こしにくいと言われていますが、実際にはイカリジンも衣類に対して注意が必要な場合もあるため商品ごとに注意書きをよく読んで使用しましょう。
こんな人はどっち?用途別おすすめ
ディート がおすすめな人
- 海外旅行(特にアジア、アフリカ、南米)など
- 山登り、渓流釣り、キャンプなどのアウトドア
- 長時間屋外にいる場合
イカリジン がおすすめな人
- 子供、赤ちゃんと一緒
- 普段使い(ちょっとした外出、散歩)
- 敏感肌、化学物質に弱い人
おすすめ虫よけ製品【 ディート / イカリジン 】
ディート 配合
服の上からサラテクト 200mL
- 医薬部外品(ディート濃度10%)で6ヶ月以上の赤ちゃんにも使える
- 衣類の上から使えるタイプ
(※ストッキング、ポリウレタンや合成繊維、革、毛皮、人工皮革、和装品、金糸・銀糸、スパンコールなどには使用しないこと) - 紫外線吸収剤配合で紫外線対策にも!
(※光線過敏症の方には注意) - 適用害虫:ユスリカ、アリ、チョウバエ、ヨコバイ、イガ・コイガ
サラテクト ふわタッチミスト 180mL
- 医薬部外品(ディート濃度10%)で6ヶ月以上の赤ちゃんに使える
- 日焼け止めの上から使える
- 適用害虫:蚊、ブユ、アブ、ノミ、イエダニ、マダニ、サシバエ、トコジラミ、ヤマビル
医薬品スキンベープミスト プレミアム 200mL
- 医薬品(ディート濃度30%)で12歳以上で使用可能
- 虫よけ効果が5〜8時間の長時間持続
- 適用害虫:蚊、ブユ、アブ、イエダニ、サシバエ、マダニ、トコジラミ、ツツガムシ
医薬品サラテクト リッチリッチ30 200mL
- 医薬品(ディート濃度30%)で12歳以上に使用可能
- 虫よけ効果が5〜8時間の長時間持続
- 適用害虫:蚊、ブユ、アブ、ノミ、イエダニ、マダニ、サシバエ、トコジラミ、ツツガムシ
イカリジン 配合
スキンベープミスト イカリジンプレミアム 200mL
- 医薬部外品(イカリジン濃度15%)で赤ちゃんから大人まで年齢・回数制限なく使える
- 虫よけ効果が最大8時間持続
- 服の上からも使用可能
(※皮革、毛皮、人工皮革、ストッキング、ポリウレタン使用製品には使用しないこと) - 適用害虫:蚊、ブユ、アブ、イエダニ、マダニ、トコジラミ、ノミ、ヌカカ、ヤマビル
天使のスキンベープ プレミアム 60mL
- 医薬部外品(イカリジン濃度15%)で赤ちゃんから大人まで年齢・回数制限なく使える
- 虫よけ効果が最大8時間持続
- 適用害虫:蚊、ブユ、アブ、イエダニ、マダニ、トコジラミ、ノミ、ヌカカ、ヤマビル
スキンベープ イカリジン 200mL 無香料
- 医薬部外品(イカリジン濃度10%)で赤ちゃんから大人まで年齢・回数制限なく使える
- 使いやすいエアゾール&無香料タイプ
- 虫よけ効果が最大6時間持続
- 適用害虫:蚊、ブユ、アブ、イエダニ、マダニ、トコジラミ、ヤマビル
まとめ〜迷ったらこれを選ぼう!〜
商品をいくつか紹介しましたが、ざっくりと以下のポイントで選ぶと良いでしょう!
海外や本格的なアウトドア→ディート
普段使いや子ども、敏感肌→イカリジン
迷ったら、安全性が高く制限も少ないイカリジンを使う方がベターです。
ディート と イカリジン の作用機序
虫よけスプレーに含まれる虫よけ成分の作用の仕組みについても少し説明しておきます。
虫が寄ってくるのは、人が発するガスや温度、湿度を感知したり、皮膚や汗に含まれるにおい成分に虫の嗅覚受容体(においを感じ取る部分)が反応しているためとされています。
ディートやイカリジンは虫の感知能力を遮断することで虫を近寄らせないようにしているのです。
ディート と イカリジン の化学構造を比較!
さらに専門的な内容で掘り下げ、薬学の基礎となる化学の観点からも比較してみましょう!
いずれの成分でも衣類、合成繊維への影響を無視できないことは化学構造式からもわかるのです。
ディート (DEET:N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド)

- 主骨格:トルエン
- 官能基:ジエチルアミド
- 全体的に脂溶性の高い構造をしており、衣類・合成繊維などを変色・変質させるおそれがある
イカリジン (別名:ピカリジン)

- 主骨格:ピペリジン
- 官能基:エステル、エタノール
- ディートに比べ極性は高いが、衣類や合成繊維に注意が必要となる
まとめ
ディートの方が脂溶性が高いものの、イカリジンでも一部の衣類・合成繊維に注意が必要です。
一方で、ディートと異なりイカリジンの方はにおいがほとんどないため、虫よけ成分の選択肢を増やす意味でも有用と言われています。
👷化学構造式の比較とファーマコフォアについては記事作成中のためしばらくお待ちください!👷
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参考:
・Insect Repellents Fact Sheet (NATIONAL PESTICIDE INFORMATION CENTER)
・DEET, Icaridine (PubChem)