光線過敏症 と 医薬品の化学構造式 の関係について、医薬品・化粧品成分と光(紫外線)が反応することで人体に何が起きるのか、過去の記事よりもさらに化学・薬学的に深く掘り下げて解説します!
光線過敏症のメカニズムについて解像度が高まると思います。
ぜひ参考にしてみてください。
・光線過敏症と化学構造式の関係
・光反応と生体内代謝の類似点&相違点
・光線過敏症と日焼け止めの関係
ここで過去の記事も紹介します。
化学構造の外観を捉えるような、基本的な内容になっているので、こちらも参考にしてみてください。
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【光線過敏症と構造式】医薬品と化粧品に注意!?原因を化学構造式から解説!
光線過敏症 と 化学構造
過去記事『【光線過敏症と構造式】医薬品と化粧品に注意!?原因を化学構造式から解説!』でも紹介したように、ベンゾフェノンのように光に対して反応性の高い構造を含む医薬品は光線過敏症に注意する必要があります。
光線過敏症には、ベンゾフェノンが光エネルギーにより励起され直接毒性を示す光毒性と、励起された反応性の高い中間体が生体内タンパク質と結合し抗原と認識されアレルギー反応を引き起す光アレルギーがあります。
なお、ベンゾフェノンが含まれなくとも『ベンゾフェノン類似構造』や『ローンペア+共役二重結合』も光で励起されることがあるため注意が必要です。
光毒性はフリーラジカルや活性酸素種による細胞障害で交差反応性はなく、光アレルギーは免疫応答であるため構造類似化合物で交差反応を示す可能性があります。
たとえ光線過敏症の既往があったとしても前者と後者で区別が必要なのです。
光線過敏症 と 光化学反応
光線過敏症を引き起こすとされている薬剤は光によってどのような反応をするのでしょうか?
光線過敏症は医薬品側の特性と紫外線であるUVB・UVA、そして可視光線に依存します。
光を吸収した化合物は励起し、※一重項から三重項状態を経て基底状態に戻りますが、この過程で生じたラジカルや反応生成物が毒性やアレルギーの原因になることがあります。
※1つの電子がエネルギーの高い軌道に移る励起状態のうち、逆向きのスピンで収容されるものを一重項状態、同じ向きのスピンで収容されるものを三重項状態という。
通常、一重項よりも三重項状態の方がエネルギーが低く、励起一重項→励起三重項→基底状態のように戻っていく。
光線過敏症 と 医薬品
実際に、医薬品ごとでどのように光化学反応が影響しているのか確認してみましょう!
ケトプロフェン(モーラス®︎)
ケトプロフェンの光反応
消炎鎮痛成分であるケトプロフェンの光線過敏症は医療現場においても非常に有名ですね!
構造式中に光に対して反応性の高いベンゾフェノンをそのまま含むのでわかりやすいでしょう。
文献では二つの経路が示されていますが、いずれも脱炭酸によるCO2の放出でカルボン酸が外れて反応が進んでいます。

これらの中間体がラジカルや活性酸素種を生成し細胞障害を引き起こしたり、生体内タンパク質と反応して抗原となりアレルギー反応を引き起こす可能性があるのです。


