セルフメディケーション税制とは?市販薬で医療費が安くなる?!〜控除の仕組みを薬剤師が解説〜

一般の方向け

はじめに

【セルフメディケーション税制】をご存知でしょうか?

お金を節約するためにも医療費控除はうまく利用したいところですが、そもそもセルフメディケーションが何なのかわからない方もいると思うので順番に解説していきます。

病院にかかってなくても医療費控除を受けられる場合があるので、うまく活用できたらいいですよね!

セルフメディケーション

セルフメディケーションとは?

そもそもセルフメディケーションとは何でしょうか?

聞いたことがあっても、その中身や取り組みに関してはあまり知らないという方もいるのではないでしょうか?

日本薬剤師会HPでは以下のように説明されています。

自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること

「セルフメディケーション」について 日本薬剤師会HP

つまり、文字通り自分の日々の健康を意識し病気が悪化する前に気付き、軽度な不調など自分で治せるものは自分で治しましょう、ということです。

そうした素晴らしい取り組みを行なっている人に対し、この後解説する「セルフメディケーション税制による医療費控除」というのがあります。

年々上昇し続ける医療費

皆さんご存知の通り、日本は少子超高齢化社会で医療費も年々上昇し続けています。

高齢になれば老化や病気は当たり前で、病院や薬局に行く人数と機会は増え、国民の給与から引かれる社会保険料も増えます。

その中で、薬にかかる値段である”薬剤料”も当然増えていきます。

受診する高齢者が増えれば、医師が処方する薬の種類や量も増え、医療費がかさむのは当然ですよね。

そのため、「セルフメディケーション」を国をあげて推進していく必要があるのです。

cf.令和元年度 国民医療費の概況(厚生労働省HP)

そうして一人一人が意識してセルフメディケーションに取り組み病院にかからなくなれば、莫大な国民医療費を抑えることができるのです。

しかし、処方された方が患者自己負担額の安い場合も多く、特に高齢者では患者自己負担額が低過ぎたり、開業医団体である日本医師会としても患者数が減れば経営に大きく影響するため、医療制度上の問題もあってか、一介の薬剤師としては残念ながらなかなか進んでいない部分もあります…。

薬剤師の活用を!

セルフメディケーションに有用な人材は誰だと思いますか?

そう!【薬剤師】です!

日頃から病院の薬を使ってる人も多い中、市販薬や健康食品・サプリメントと併用すると相性の悪いものもあります。

そこで薬剤師は病院の薬だけでなく市販の薬(OTC薬)、健康食品やサプリメントとの組み合わせをアドバイスできる唯一の専門職です。

薬学部では市販品のことまで詳しく勉強しないので個人差はありますが、特にドラッグストア勤務の薬剤師なら詳しい方も多いのでぜひご相談ください。

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制とは?

続いて税制についてですが、まず厚生労働省で以下のように説明されています。
(“スイッチOTC医薬品“の言葉の意味もご確認ください)

セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)は、医療費控除の特例として、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるもの

セルフメディケーション税制について 厚生労働省

大きなポイントは「市販薬の購入費用について所得控除を受けることができる」という部分です。

課税所得から(購入費用−12000円)分が差し引かれるため、それに伴い所得税や個人住民税の減税効果を期待できます。

その他、セルフメディケーション税制を受けるメリットや必要なポイント、注意点をあわせて以下にまとめておきます。

セルフメディケーション税制(年分)のポイント
  • 健康の維持増進、疾病の予防への“一定の取組“が必要
    (一定の取組は確定申告する人のみで可)
  • 12000円以上の対象医薬品(スイッチOTC医薬品)を購入
  • 自分または生計を一にする配偶者その他親族で購入金額を合算
  • 課税所得から(購入費用−12000円)分が差し引かれ減税効果あり
  • 差し引くことのできる総所得金額の上限は88000円
  • 従来の医療費控除との併用は不可

※一定の取組
特定健康診査(メタボ健診)、予防接種(インフルエンザ予防接種等)、定期健康診断(勤務先の事業主検診)、健康診査(保健者が実施する人間ドック等)、がん検診

実際の申告に必要なものや流れは以下のリンクを参考にしてください↓

セルフメディケーション税制対象医薬品

セルフメディケーション税制対象医薬品は厚生労働省HPに示してあります。

有効成分リストと品目リストがありますが、お手持ちor購入予定の医薬品から探しやすい方で探してください。

また、基本的には店頭でもセルフメディケーション対象医薬品かどうか識別できるようにラベル(下の画像)の記載がありますが、義務ではないため、上記リンクで予め有効成分や品目を確認し、購入後にレシート・領収書にも記載があるか確認するようにしましょう!

セルフメディケーション対象医薬品識別ラベル 国税庁HP

過去記事「授乳中に使えるアレルギーの市販薬」でもセルフメディケーション税制対象医薬品を紹介しているので、興味のある方は読んでみてください。
(※授乳中でなくとも一般的にオススメの成分です)

cf. 授乳中にアレルギーの市販薬は大丈夫?〜安全に飲める薬、使える目薬、点鼻薬を薬剤師が紹介・解説〜

手続きに必要な書類

セルフメディケーション税制の申請に必要な書類は以下の通りです。

必要な書類
  • セルフメディケーション税制を適用し計算した確定申告書
  • セルフメディケーション税制の明細書(※1)
  • 一定の取組を行ったことを明らかにする書類(※2)

※1 平成29年度からレシート・領収書の添付は不要になったものの、税務署からの求めがあった場合に提出する必要があるため、手元に5年間保管しておく必要があります。
※2 手元に5年間保管する必要があります。

明細書類(レシート・領収書)には以下のものが明記されている必要もあるのでご注意ください。

  1. OTC医薬品の製品名
  2. 金額
  3. 当該製品がセルフメディケーション税制対象のOTC医薬品である旨
  4. 販売店名
  5. 購入日
領収書表示例 国税庁HP

まとめ

いかがでしたでしょうか?

セルフメディケーション税制を受けるメリットやポイント、注意点をもう一度確認しておいてください。

そして手続きが煩雑で億劫に感じるかもしれませんが、国民一人一人が意識してセルフメディケーションを行うことで、国民全体の医療費を下げ、現役世代の負担を少しでも軽くすることを目指していく必要があります。

今後、市販薬の中でも、効果があるとされるものをスイッチOTC成分以外の成分でもセルフメディケーション税制の対象とし、効果が薄いものを対象外とするなど、見直しがされていきます。

薬剤師は、お客さんや患者さんの健康上の悩みに対して、受診すべきかどうか、使用すべき市販薬は何か、併用可能かどうか、税制対象かどうか、様々な相談に乗れると思うので、ぜひ頼ってみてくださいね。

一般の方向けの市販薬の適正な選び方の本もあるので、興味ある方はぜひ読んでみてください。

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