「 化学構造式 の勉強におすすめの本・書籍を知りたい!」と質問をいただくことが多いので、改めてここでまとめて紹介しようと思います。
この記事は以下のような方にオススメです。
この記事がオススメな方
- 薬学の本質である化学(構造)と薬理の繋がりを勉強したい
- 化学構造式に興味はあるけど、何から手をつければいいのかわからない
- 検索してもいろいろ出てきて、どれがいいのかわからない
- 勉強できると思って買ってみたけど、思ってた内容と違った
いろんな経験や想いがあると思いますが、今回はそんな方のためにも、 化学構造式 と 薬理作用 の関係が解説され、かつ臨床(医療)に繋がりそうな内容の本・書籍をピックアップし紹介していきます。
【化学構造式の勉強】おすすめランキングと比較表
僕の独断と偏見によるオススメ順ですが、それぞれの特徴も簡単にまとめているので参考にしていただければと思います。
下の比較表はあくまで“化学構造やファーマコフォアの勉強になるかどうか“の視点で主観的に評価したものです。
※画像クリックで「各書籍の特徴」へ飛べます
他にも良さそうなものがあれば、ぜひ僕にも教えてください笑
今後もこの分野で読んだものはランキングに追加していく予定です!
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各書籍の特徴
臨床医薬品化学
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本書の特徴まとめ
- 薬学生、薬剤師向け
- ファーマコフォアや化学構造に特化した実践的解説書で、主に代表的8疾患の医薬品を収載
- 出版が2021年で最近の薬も収載
- 有機化学的視点(反応機構など)とのバランスも良く、『スタンダード薬学シリーズ』と『くすりのかたち』の“良いとこ取り“の内容
- 収載されている薬効群・医薬品数は多過ぎず読みやすい
※次に紹介する『医薬品構造化学』と優劣つけ難いですが、最近の薬や知見を考慮した点でこちらを1位としました。
医薬品構造化学
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本書の特徴まとめ
- 薬学生、薬剤師向けの専門書
- 各薬効群で化学構造上の特徴が解説されている
- ファーマコフォアや置換基、酸・塩基、脂溶性などから導かれる薬剤の特徴の情報が他の書籍に比べて圧倒的に豊富!
- 収載されている薬効群・医薬品数が他の書籍に比べてもかなり多い(日常的に使われる薬効群も多数収載)
スタンダード薬学シリーズⅡ化学系薬学「生体分子・医薬品の化学による理解」
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本書の特徴まとめ
- 薬学生、薬剤師向け
- 薬学教育モデル・コアカリキュラム(SBO)に沿った内容で国家試験対策としても非常に良い
- 化学構造やファーマコフォアなども、有機化学的な視点での解説とバランスがとても良い
- 化学構造とファーマコフォアに関する医薬品数は多くはない
くすりのかたち
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本書の特徴まとめ
- 著者が薬剤師なので薬学生や薬剤師に目線が近くわかりやすい
- 「化学構造、ちょっと苦手かも、、」という人が最初に手に取るととても入りやすい
- 収載されている医薬品の種類は多くないが易しいハウツー本
- 化学構造の“読み方“を易しく、それでいて網羅的に解説されている
- ページ数多くないためサラッと読める
ベーシック創薬化学
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本書の特徴まとめ
- 薬学生、薬剤師が読んでも面白い(はず)
- 医薬品開発の基礎的内容で、置換基の入れ替えによる活性の変化など、化学構造と薬理活性の関係(構造活性相関)の勉強の導入に最適
- 医薬品の開発経緯が時系列で解説され、同種同効薬の違いがわかりやすい
- 収載されている薬効群・医薬品数は多くはない
化学構造と薬理作用
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本書の特徴まとめ
- 薬学生、薬剤師向けの専門書
- 収載の薬効群・医薬品数は多い方だが、化学構造上の特徴やファーマコフォア視点での解説は少し弱い
- 「化学構造と医薬品の物理化学的性質の関連性」が収載されている
医薬品の化学
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本書の特徴まとめ
- 臨床というよりは創薬の視点
- 化学構造やファーマコフォアの解説もあるが、主に反応機構など(有機)化学的な内容
- 医薬品を化学的に少し深いところから勉強したい場合に良い
- 日常的に扱うような医薬品はかなり少ない
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こうした化学構造やファーマコフォアからどんなことがわかってくるのか、新規の方にも紹介する意味で記事を書いたので、興味ある方はぜひ読んでみてください!
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