現場で働いている薬剤師の皆さんは、正直「 薬剤師の未来 」に不安しかないと思います。
自分たちがしている日頃の薬剤師業務に対し、なんだか釈然とせず嫌な気持ちまで抱えている人も多いのではないでしょうか?
結論から言えば、転職すべきかどうかは人それぞれの考え方や事情によります。
今回は、薬剤師(業界)の将来に政治がいかに大きな影響をもたらすかというマクロの視点、そして個人レベルで転職を考えるべきかというミクロの視点を繋げた内容の記事です。
私たちが生きているこの不確実性の大きな世の中で、薬剤師(業界)の未来や将来性は何によって決定づけられるのか。
個人の見解ですが参考にしてみてください。
薬剤師にまつわる政治の話は今後も折にふれて記事にできればいいなと思います。
薬剤師と政治とお金
「薬剤師の業務内容は政治が決めている」というのは少し言い過ぎかもしれませんが、あながち間違いとも言えません。
日本の国民皆保険制度の中で、健康保険法で規定される保険医や保険薬剤師などが行う医療行為とその値段は国が決めているのです。
薬の値段も「薬価」と言って、保険制度上の公定価格として国が値段を決めています。
なお、前提として、人がお金に集まっていくのはどうしようもなく避けられないことで、どこにどれだけのお金を流し(投資し)誰の利益とするのか、つまり政治の影響が計り知れず大きいことを忘れてはいけません。
国が医療行為や薬の値段を決めているということは、医薬関係の会社は医療という社会的使命を果たしつつも、経営者だけでなく労働者の雇用と生活を守るため、国が決めたルールの中で会社の利益になるものも同時に追求していくことになります。
ただ、度を超えて営利に走っては良くありませんよね。(これ以上は長くなるので自重します…)
そしてルールというのは業務とその対価、つまり報酬の在り方に関するルールで、これが「診療報酬」や「調剤報酬」です。
国がある医療業務に対して報酬を設けることは、国が医療業務の価値を決めていることに等しく、これが政治です。
そしてこの政治は、政界の利害関係によって特定の団体組織に意図的に利益を誘導できてしまう負の側面もあります。
本当に長くなるので割愛しますが、薬剤師業界も政治力学の中で相互作用しているため、「薬剤師の業務内容は政治が決めている」と言っても過言ではないのです。
とはいえ、「政治の問題は薬剤師にとって不可抗力なのだから薬剤師個人に責任はない」というのも間違いで、薬剤師自身もまた社会的使命のために主体的に政治に働きかけていく責任から逃れてはいけません。
薬剤師の収益源
身も蓋もありませんが、人が生きていく上で欠かせないものの一つが「お金」です。
薬剤師に限らず、どんな職業でも仕事をして得るお金の出どころと流れを知ることはとても大切です。
保険調剤による調剤報酬
(保険)薬剤師が健康保険法に基づいて調剤・投薬を行うのは「保険調剤」であり、保険調剤の対価(収益)は「調剤報酬」という形で決まっています。
これは薬剤師に限らず、健康保険法に基づく医師(保険医)の診療行為は「診療報酬」、薬の値段も国民皆保険制度の中では「薬価」という形で決まっています。
つまり、保険の利く医療行為をすることで、国の定めるルールに則り対価として利益を得ることができます。
保険調剤以外の収益
これはもう様々でしょう。
自由な市場経済の中で利益を出していくことですから、需要と供給のバランスによって価値が決まります。
その中でも「医薬品」に関してはそれ自体が規制の対象であり、扱ったり売ったりするために免許が必要なので完全な自由市場とはいきません。
ドラッグストアや薬局で売られる医師の診察や処方がいらない一般用医薬品(OTC医薬品)もその一つです。
保険が利かず自由市場で売買が成立するものですが、需要の分だけ好き放題に供給(売買)できるものではないので、お値段は少し高めになります。
医療費財源
調剤報酬だけでなく、医師の診療報酬や薬の費用(薬剤料)は、国民から社会保険料という名の税金とも言える形で集めたお金で7割以上を支払っています。
ずっと以前から少子超高齢社会における医療費問題が取り沙汰され、今では国民が生活することさえままならないくらい大きな社会保険料が給与から天引きされています。(皆さんも自身の給与明細を見ればその額の大きさにギョッとしますよね汗)
もっともっと恐ろしい事実は、社会保険料は労使折半であるため、給与明細で引かれる社会保険料の2倍の金額を実際には納めている、ということです。
給与明細に載らないのでステルス地獄天引きですね(汗)
控えめに言ってもめちゃくちゃヤバい金額を国に持っていかれて保険医療へ青天井に注ぎ込まれているわけです。
そして40歳以上になると「介護保険料」まで支払うことになり、ただでさえ少子超高齢化が進む日本で昨今のインフレまで加わり、雇われ薬剤師を含めた日本のサラリーマンは今後さらに生活が貧しくなっていくでしょう。
薬剤師の価値がなぜ政治と関係あるの?
なぜ薬剤師の価値が政治と関係するかと言えば、薬剤師が行う業務に対して支払われる対価、つまり、薬剤師の仕事の価値の大きさを示す一つの指標である「調剤報酬」を決めているのが政治だからです。
診療報酬を決める「中医協」
診療報酬や調剤報酬、薬価のルールを決めているのは「中央社会保険医療協議会(略:中医協 )」と呼ばれる厚生労働省の諮問機関です。
この中医協という組織によって、保険制度に関連した仕事の価値が決められていると言えるのです。
「中医協」と政治
もう少し深く考えてみましょう。
診療報酬・調剤報酬・薬価を決めている中医協に、業界にとって都合の良い人間を送り込めば自らの利益となるような報酬配分に誘導できる、という負の側面もあります。
これが政治です。
私が冒頭で説明したマクロの視点では、現在の政権与党である自民党、そして自民党と蜜月関係にある医師会の強権政治によって、日本の医薬業界や公衆衛生は世界標準からかけ離れガラパゴス化し、国民生活を圧迫しながら医療・介護、日本の経済さえ悪化しているのです。
中医協の構成委員
中医協で診療報酬・調剤報酬・薬価が決まると言いました。
では、それらを決めている中医協のメンバーがどのような構成になっているのか気になりませんか?
例えばこのメンバーが、どこか特定の業界に偏っているならその業界ばかりを優遇するように報酬が割り振られる可能性が高くなります。
本来、公正中立であるべき行政の諮問機関が特定の業界団体を依怙贔屓(えこひいき)するなどあってはならないはずですが..
ここで所属と個人名まで載せることはできませんが、診療側委員(7名)の内訳は医師5名(うち日本医師会3名)、歯科医師・薬剤師各1名ずつです。
おやおや..開業医に有利な報酬体系になるのも納得の人選と陣営ですね..
みなまで言わずとも理解できると思います。
政権与党-医師会-中医協の関係
政権政党と行政機関
本来、行政機関というのは公正中立であるべき立場ですが、例えば医薬業界を管轄する厚生労働省の大臣(つまり国務大臣)は政権与党(現在は自民党)の議員から選出されます。
つまり、政権政党と懇意にしている業界団体の代表者が国会議員となり、その人物を国務大臣に任命すれば省庁をある程度コントロールできてしまうわけです。
この時点で公正中立と言えるはずがありません。
とはいえ、どうあるべきかというのも難しい話ですが…
医療介護に限らず、社会に存在するあらゆる業界団体が政治に介入しようとするのも理解できると思います。
またここにも「お金」の話が絡み、賄賂であったり裏金であったり、要はそういうことなのです。
政権政党(自民党)と日本医師会
さて、自民党と医師会の関係ですが、これだけを話すにしてもいくつか記事が書けてしまうくらい深い深い歴史があります。
自民党と医師会は歴史的にも蜜月関係にある、ということだけは知っておいてください。
医師会という一つの業界団体が、国内屈指の利益圧力団体としてこれほどまでに政治に強大な影響を及ぼす理由は歴史を辿れば見えてきます。(長くなるので割愛します)
日本医師会と中医協
中医協は保険制度上において各医療職の報酬ルールだけでなく、製薬メーカーの売上と研究開発投資に影響する薬価ルールを決めるための厚生労働省の諮問機関です。
より厳密に言えば、薬価は薬価専門部会で議論されますが、最終的な決定権を持つのは中医協総会です。
当事者不在でルールが決まる?!
実はここにも看過できない大きな問題があり、薬価ルールを決定する中医協総会に、なんと当事者である製薬会社・医薬品卸関係者がいないのです!!
何を言っているのか意味がわからないと思いますが、医療インフラの一翼を担う製薬・医薬品卸会社の売上に直結する薬価ルール決定の場に、なぜかそこに居て然るべき当事者が不在なんですよ。
自分で書いててもやはり意味がわかりません..
医療費削減を、薬価を下げることで達成しようとする強権政治によって、製薬・卸メーカーの企業体力が根こそぎ奪われ昨今の医薬品不足を引き起こす一因となっているのです。
医療介護業界を牛耳る医師会
中医協の診療側委員のメンバー構成はご覧いただきましたか?
まだの方は再度コチラをご確認ください。
中医協は診療報酬・調剤報酬・薬価のルールを決める場です。
その中医協委員に特定の業界関係者ばかりが偏れば、公正中立なルールなど成り立つわけがありません。
利害関係がない(とされる)委員も構成員として必須であり名目上は保たれていますが、診療側委員を見ると明らかにおかしい。
この委員構成が過去に問題視され一度是正されたものの、再度自民党政権となった際に現在の状態に戻されたようです。
この一コマだけでも自民党と医師会がどれほどズブズブな関係なのか見えてきます。
医師会委員の割合を不当に高くすることで、医師会を支える医師(特に開業医)にとって有利な報酬体系を構築できるというわけです。
腐敗政治が医療と経済を衰退させる
ここまで読めばおよそ察しがつくと思います。
こうした政治の腐敗は、医療を生かすために他の業界を崩壊、国内産業の衰退や弱体化を加速させ、国力の低下とともに国民生活を圧迫し国民の貧困化を招きます。
インフレも加わり、収入(金額)が同じでも買えるものが減っているので、日本はどんどん貧乏になっているのです。
薬剤師(業界)の将来と転職
政治というのは個人で決定できるものではなく組織や業界などの大きな集団、そうしたマクロの動きで捉えることが必要です。
一方で、薬剤師個人にできることは政治が決めたルールの中で上手く立ち回ることで、これにはミクロの視点が必要です。
ここからは薬剤師の将来に政治がどう影響し、薬剤師個人として転職すべきかどうかを話していきます。
なぜ薬剤師の未来は暗い?その要因
薬剤師業界の未来は、今のままいけばはっきり言ってとても暗いですよ。真っ暗です。
キリがないですが、パッと思いつくだけでも以下のような要因が挙げられます。
政治的要因
いわゆる政治による影響が大きいため、薬剤師個人ではどうにもならないような要因です。
だからこそ薬剤師も職種を問わず集団として同じ方向を向き団結することが理想なのですが..
まぁなかなか難しいですよね。
以下に政治的要因を挙げてみます。
- 医師会(連盟)に忖度、迎合する薬剤師会(連盟)
- 薬剤師国会議員の少なさ
- 政権与党(自民党)内での立場・発言力の弱さ
- 医薬行政における薬剤師の立場の弱さ
- 中医協内での立場・発言力の弱さ
- 世論形成力の弱さ
- 薬剤師の権限と責任の弱さ
- 市場関係者間における立場の弱さ
いずれにおいても政治の場での弱さが目立ちます。
ルールを決める政治の場において薬剤師が主体的に関われないとなると、薬剤師の意見は無視され、薬剤師のルールを薬剤師以外の人間が全て勝手に決めてしまうということです。
政治力の強い業界団体が独占業務を増やしていく中で、薬剤師の権限と責任、つまり職能がこの先も減り続け、薬剤師そのものの価値が下がっていきます。
だからこそ薬剤師に何ができるのか、政権与党や医師会に忖度することなく、政治や国民世論に対し積極的に訴えていく必要があるのです。
業界的要因
これも政治的要因みたいなものですが、薬剤師(の集団)自身が抱える問題という意味で捉えてください。
- 薬剤師会(連盟)の活動費の少なさ
- 薬剤師会(連盟)の活動員の少なさ
- 処方箋(医師)に依存したビジネスモデル
- 世界標準ではテクニシャンが行う業務モデル
- 単位人口あたり薬剤師数の多さ
- 薬剤師の権限と責任の弱さ
- 薬剤師同士(異職種間)の団結力の弱さ
- 社会貢献度の低さ
いずれも専門家集団としてのプライドの低さ、行動力の弱さ、意識の低さとも言えます。
人口あたりの薬剤師数が多い割にテクニシャンでもできるような仕事で報酬を得て、医師会のおこぼれ利権にすがるような腐敗政治に迎合していては、そりゃ「薬剤師不要論」だって出てきてしまいます。
本来なら、組織を動かす力を持つような権力者が若手を引っ張り、若手はその背中を追いながらサポートをして次世代に紡いでいく、そうした意識を持たなければなりません。
集団が主体性を持つことで政治にも良い影響を及ぼすようになります。
薬剤師自身が薬剤師の価値を下げている?!
ここまでお読みになり政治的・業界的要因まで挙げて、「いや、そんなことはない!」と感じた方もいるかもしれませんが、日本の薬剤師がやってることは世界標準ならテクニシャン(調剤補助)がやるようなレベルの業務も多く占めています。
薬学の専門家であるはずの薬剤師がしている仕事がブルシット・ジョブでは今後も薬剤師の価値は下がります。
テクニシャンに任せれば良い程度の業務を大勢で行なっているのが日本の薬剤師。
ただの無駄です。
ということくらいは実は厚生労働省もわかっていることで、おそらく今後、多くの薬剤師がテクニシャンレベルの収入に下がります。
インフレも影響して体感としての貧しさはもっと大きいでしょう。
薬剤師の年収相場は確実に下がっていく!
説明し出すとキリがないので触りだけですが、今後、薬剤師の年収相場は確実に下がります。
理由は様々ですが、その一つに、調剤技術は薬剤師資格がなくてもできる程度の業務で薬剤師がやるには高コスト、という問題があります。
平たく言えば「調剤なんて練習すれば誰でもできるわけで海外では既にそうなのだから薬剤師以外でもできるようにしよう。一般従事者やテクニシャンで事足りれば高いカネ払ってまで薬剤師なんて必要ない」ということです。
企業にとって人件費が安いに越したことはありません。
薬剤師でなくてもできる業務が増えるということは、薬剤師よりも人件費の安い人材(調剤事務や医薬品登録販売者)で完遂できる業務が増えることを意味し、企業としては敢えて人件費の高い薬剤師にコストをかける意味がなくなります。
すると、薬剤師の供給が過剰となり、自身の生活のために安い給料でも働く薬剤師が増えていきます。
安い給料で働く薬剤師が増えれば薬剤師の年収相場も下がっていき、調剤事務や登録販売者との収入差を縮めながら、辛うじて薬剤師にしかできない業務がある分だけ若干高い給与設定に落ち着いていきます。
現役薬剤師の皆さん、そして残念なことにこれから薬剤師になる予定の薬学生の皆さんも、この先薬剤師業界に訪れる真っ暗な未来を覚悟すべきです。
薬剤師(業界)の未来を明るくするには?
薬剤師(業界)の未来を明るくするには、今まで説明してきたような悪い部分を全て改善することではないでしょうか。
<目的>
薬剤師の専門分野である”薬学”を国民の健康や医療、公衆衛生に活かすこと
<薬剤師個人>
自己研鑽しつつ日々の業務で啓蒙していく
<薬剤師集団>
団結し政権与党や医師会に忖度せず政治に働きかけていく
<薬剤師個人と集団の両方>
上記に関して広報しつつ国民世論から理解を得る努力をしていく
といったところでしょう。
薬剤師個人も将来のために転職すべき?
冒頭で説明したように、人それぞれの考え方や事情によりますが、「今のままでは良くない」と感じるのであれば十分な転職動機になると思います。
薬剤師業界と政治を考える
まず自民党政権が続く以上は薬剤師業界に未来はありません。
医師会と自民党がズブズブの蜜月関係であることに加え、薬剤師会が医師会に隷属しているためです。
日本の薬剤師は医師の処方箋に依存したビジネスモデルで、門前・敷地内薬局といった世界標準と乖離した形も多く存在する中、医師に楯突くことで経営破綻させられる(本来違法相当の院内処方に変更される)リスクが薬剤師にはあります。
国民医療費の増大が限界を迎える中で、医師の報酬が下げられる前に薬剤師の報酬が下げられる理由も、政治的なパワーバランスにおいて薬剤師の方が弱いためです。
それに耐えうる薬剤師になるための転職も一つの手段です。
薬剤師業務と将来性を考える
政治に関連するものですが、薬剤師の独占業務は今後さらに減っていくため、職能を失い薬剤師自体の価値も下がっていきます。
そこで、薬剤師が自らの価値(業務)を主体的に政治や国民へ広報し訴えれば良いのですが、薬剤師会・連盟などの業界団体となると、中小薬局のオーナーということもあり医師会に忖度する形になります。
薬剤師業界に限らず、自己利益のためだけに自浄作用なく権威主義体制を維持しようとすれば、どんどん腐敗が進みいずれ自分の首を絞めることに繋がります。
薬剤師業務が薬剤師以外では成り立たないような価値を持たなければ薬剤師に明るい未来などありません。
それどころか、薬剤師の雇用自体も減っていきます。
将来まで活き続ける業務を求めて転職に踏み切るのも一つの手段です。
薬剤師の収入相場を考える
薬剤師の収入相場は薬剤師の需要と供給です。
薬剤師の業務価値(質や単価)が下がれば、同じ収益を発生させるために業務量(数)を増やさなければなりません。
薬剤師の皆さんが『給料は上がらないのにやることだけ増えて忙しい!現場は常に薬剤師不足で大変!!』と感じるのはこのためです。
決して薬剤師不足なのではなく、むしろ、過剰な薬剤師を食わせるために、薬剤師でなくても成り立つような業務を増やし、そこへインセンティブを設けているに過ぎないのです。(これがブルシットジョブ..)
日本の単位人口あたりの薬剤師数は多い。
にもかかわらず、現場が常に忙しく年収相場まで下がっているのは、薬剤師の供給過剰と価値の低い業務にインセンティブが付いているためです。
マクロの観点ではこの傾向が続くため、薬剤師の年収相場は今後もさらに下がっていきます。
年収相場が下がるという、実質的に薬剤師過剰の社会情勢で生き残る薬剤師になるために転職するのも一つの手段です。
薬剤師の生活水準を考える
最も個人レベルで大切なものが生活水準だと思います。
被雇用者の視点でワークライフバランスを考えた時に、年収が下がれば、同じ年収を維持するためにより多くの労働が必要となります。
同じ労働(時数)のままなら年収が下がるので生活水準を下げざるを得ませんよね。
まして日本円の価値が下がるインフレでは、同じものを買うためにより多くの円(お金)が必要になるため、体感的な生活水準の低下は非常に大きいはずです。
患者や国民のために貢献したくても、自分自身の生活がキツキツでは心の余裕もなくなってきます。
生活水準の維持・向上を目指して転職するのも一つの手段です。
転職活動で利用するのは?
転職活動の方法はいくつかあるのでご紹介します。
個人の飛び込み営業や友人のつてなどは例外として今回は省きます。
(そもそも飛び込み営業で良い職場に転職できた人を知りませんが..(笑))
①ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワークも転職活動の選択肢として有効活用したいところです。
厚生労働省が運営しており、企業側も無料で求人を掲載できることから多くの求人を紹介してもらえます。
メリット
- 企業側の求人掲載料が無料のため求人数が多い
- 担当部署で条件に合った求人候補を見つけてくれる
- 担当者が求人掲載企業と連絡を取り選考案内してくれる
- 面接時の条件交渉をしやすい
デメリット
- ハローワークに毎回足を運ばないといけない
- 企業情報が少ない(ムラが大きい)
- 選考が厳しい
- 条件に合わない求人を紹介される
といったメリット・デメリットが挙げられます。
正直、求職者の立場ならデメリットの方が大きいかもしれません。
企業側が転職エージェントを介して人材を得た場合は人材紹介料として年収の○%を支払う必要がありますが、ハローワークは紹介料を支払う必要がないため企業にとっては大きなメリットです。
しかし、転職エージェントほど会社の事情を汲んでマッチングしてくれるわけではないので、どんな求職者なのか書類選考の時点で厳しめになることも少なくありません。
年収交渉が上手い人でも書類選考の時点で落とされては交渉の場に出るより以前の問題です。
それなら転職エージェントを利用する方が良いでしょう!
②転職エージェント
やはり転職エージェントが良いでしょう。
メリット
- 求人数が多い
- 希望や条件に合った求人とマッチングしやすい
- 選考や面接日程をスムーズに決めてくれる
- 条件・年収交渉をしてくれる
- 企業情報が豊富
- 現地に足を運ばなくても電話やメールで済む
デメリット
- 転職エージェントによって情報ムラが大きい
- 人材紹介料発生後(転職完了後)のアフターフォローが手薄になりやすい
- マッチングさせることに必死で求職者を置き去りにしやすい
- 上記2つから求職者に対し親身になりにくくフォローもされにくい
などのメリット・デメリットがあります。
特にデメリットの部分はエージェントによっても様々ですが、求職者にとっては人生の大きな部分を占める仕事にかかわることですから、失敗なんてしたくないものです。
自分にとってより良いキャリアを積むための、もしくはワークライフバランスから最善と思える条件にマッチングする企業で合ってほしいですよね!
企業側にとっても当然そのはずです。
転職エージェント「ファルマスタッフ」
実は私自身もファルマスタッフ(株式会社メディカルリソース)を利用して転職したことがあり、私の条件に非常によくマッチした企業を選んでくれました。
同時ではないものの、その際は他社エージェントよりも条件に沿った案件をいくつも紹介してくれた経験があったため、今回の記事で改めて紹介することにします。
ファルマスタッフとは?
ファルマスタッフは上場企業の大手調剤である日本調剤が運営する転職エージェントで、薬剤師の求人・派遣・転職を幅広くサポートしています。
転職活動をする時に転職エージェントを利用するデメリットも挙げてみましたが、ファルマスタッフはそのデメリットを可能な限り埋めてくれる努力をしてくれるので利用する側も信頼を持って相談しやすいと思います。
何より直接会って話す親身さ
他社エージェントと異なる最大のポイントは、直接会って落ち着いた雰囲気の中で希望や条件をじっくり聞いてくれることです。
やはり、お互い対面だと表情や身振りまで見えて安心感もあります。
細かい希望や条件でもマッチングしやすい
ファルマスタッフが持つ求人や案件は数の多さだけでなく情報の質も高いので、こちらの希望や条件に合致するような求人や案件をいくつも提案してくれるのです。
非常に細かいこだわり条件まで考慮してすぐに提案してくれるので、スムーズに転職の話が進みやすいのもおすすめポイントです。
それもこれも、ファルマスタッフが持つ企業情報の質が高いためで、企業の人事採用担当と密なコミュニケーションを取り情報交換できていることが理由の一つでしょう。
なんと!面接まで同行してくれる!!
驚くことに、なんと!面接に同行してくれるのです!!
普通の転職エージェントならそんなことしません。
面接を苦手と感じる方にとって隣りでフォローしてくれるなんて非常に心強いですよね!
「面接で緊張しやすい」
「なんて答えたら良いかわからない」
「自分をうまくアピールできない」
「希望や条件を言いにくい」
「お金のことを聞きづらい」
など、こちらが訊きにくいこと言いにくいことを全てフォローしてくれます。
また、企業側のニーズも熟知しているため、企業の面接担当者と求職者の間で話の内容が噛み合わなくなることもありません。
これも非常に大きなメリットです。
転職エージェントと薬剤師の将来
今後どのような薬剤師が社会において永続的に必要とされるか、企業は会社利益とのバランスを考えながら、そうした社会のニーズや動向もチェックしています。
長期的な企業戦略における人事も非常に重要なもので、企業が必要とする人材はもちろん転職エージェントにも伝えられます。
転職エージェントも企業と密にコミュニケーションを取ることで、特定の企業が求める人材だけでなく、薬剤師の社会ニーズや業界の動向、マクロの政治・経済といった昨今の社会情勢まで知っていることが多いです。
言ってしまえば、転職エージェントは薬剤師の個人事情というミクロの観点から、医薬業界の動向や政治・経済などのマクロの観点まで、広く深く将来について相談できる存在と言えます。
薬剤師個人としての将来だけでなく、薬剤師業界としての将来もじっくり相談しながら転職してみてはどうでしょうか?
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